2024/7 浅間山(黒斑山)

登山

きっかけ

 夏山の歩行訓練がしたいと思い南アルプスにでも入ろうと思っていたのですが、梅雨に入ってしまい予定の山域に入れませんでした。しかし、関東方面は天気が悪くないようだったので、関東との境目にある浅間山を計画。

 浅間山は現在も活動中の活火山。そのピークは火口の東にあるが危険なため登頂できません。よって浅間山に登るということは、その外輪山のピークである前掛山に登るということになるのですが、現在警戒レベルが2に上昇しているため前掛山にも登れません。よってそのまた外輪山である黒斑山に登る計画を立てました。

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立ち寄った風呂

天狗温泉浅間山荘

立ち寄った食事処

車留夢「大浅間爆裂ハンバーグ」

山の成り立ちや歴史

 浅間山は複雑な構造をもっています。それは黒斑火山、仏岩火山、前掛火山の3つの火山活動によってできているからです

 黒斑火山は10万年前以降に活動をはじめ、円錐形の高度2,800mから2,900mの成層火山を形成。2万3千年前には大規模な水蒸気爆発が起こり、塚原岩雪崩という大きな山崩れにより山頂の東半分が崩れ落ちてしまいました。

 黒斑山の山崩れによってできた凹地を「湯の平」と呼びます。砂礫地にカラマツの幼樹が疎らに生えた平地で、四方の眺めが開けており、この付近に黒斑山の火口があったと考えられています。また黒斑山の東側は白色の崩壊斜面になっています。

 この部分は「シラハゲ」と呼ばれており、位置は、黒斑火山の崩壊カルデラ東端の鋸岳北斜面に当たりです。1万年以降に噴火した前掛火山の降下火砕物に覆われており、崩落が絶えません。黒斑側は尾根まで森林になっていて、高山植物が分布しているものの、鋸岳側は植物が侵入できず、淡黄色軽石層がむき出しの状態になっています。

 前掛火山の活動によって、周辺地域の地形は、火山灰・軽石・砂礫などの堆積地形が長い間に河川によって削り取られ、凹地の谷と凸地の台地という断層ができて、特有の地形を構成しています。また1783年に噴出した鬼押出し溶岩流の痕跡を今でも鮮明に見ることができます。

 今でも火山性ガスの匂う蛇堀川と、その源流部にある地獄谷。涸れ沢の上流側には仙人岳があります。浅間山荘から蛇堀川に沿って続く登山道には道標や石碑が数多く残り、⻑い歴史の痕跡を辿ることができます。
 例えば、道脇に「浅間山開闢(かいびゃく)祖 中開霊神」という石碑があります。浅間神社のほとんどは富士山に対する信仰(富士信仰、特に浅間信仰)の神社ですが、一部浅間山に対する信仰の神社もあるそうです。また、「羽黒大神 大天狗 小天狗」と三柱の神名が並ぶ石塔、火山館の先にある浅間神社の賽銭箱には「浅間山大神 前掛山大神 羽黒山大神」とあります。羽黒は出羽三山の羽黒山で、出羽三山に向かう行者が六月中に追分を通るとき浅間山登山を行っていたそうで、浅間山麓でも出羽三山は身近な信仰として浸透していたとのこと。 

登山口までのアプローチ

 岡谷ICを降り右折し国道20号に入ると、国道142号との三叉路にぶつかります。ここを左に入り、和田峠を越えます。和田峠は中山道の難所で、中山道の中でも一番標高の高いところになります。現在は国和田峠トンネルで通過していきます。

 国道142号を進み、ブランシュたかやま方面の分岐を越え、一度国道152号と合流します。そして長久保分岐でまた国道152号から分かれます(変な木像があります)。そして和子の交差点を左折し県道40号に入ります。

 県道40号を進み、小諸城を抜けて、駅前から旧北国街道を抜け、坂の下中央の信号から国道18号に入ってすぐに坂の下南を左折、そのまま進むとチェリーパークラインへの道に入ります。途中、小諸善光寺を通り抜けます。この辺は東雲(しののめ)という地名で印象に残っています。小諸蒸留所を抜け坂を登っていき、どんどん山に入っていくと「浅間山登山口」という大きな看板があるので右へ。ここから砂利道になりますが、通行には問題ありません。

 途中、三井住友カードのキャッシュレスの森、ルイビィトンの森を抜けると、天狗温泉浅間山荘につきます。駐車場500円。朝早いと温泉が空いていないので、下山して駐車場を出る時に500円を払います。

浅間山荘~草すべり~黒斑山~

 朝7時前くらいに天狗温泉浅間山荘に到着。駐車場には車は1台もなく一番乗りでした。

 一の鳥居からは、不動滝方面から二の鳥居か、普通に二の鳥居にいくかの分かれ道があります。計画通り二の鳥居方面へ。二の鳥居方面へは、浅間山に対して逆方向なので少し迷いました。ただし地形図上、一度渡渉するために逆方向に行き、また戻って来るルートであることを確認。

 途中、道標や石碑が続きます。ずっと歩きやすい斜度で、よく整備された登山道です。

 火山館をぬけて湯の平へ。トーミの頭方面へ向かい草すべりに取り付いたのですが、思っていたより急登で疲れました。ただしそんな急登の坂道には、小さいアサマコザクラやミネウスユキソウを偶然見つけることができ、まるでご褒美をもらえたような気持ちになりました。

 トーミの頭はスルーし、黒斑山で休憩。ここからは浅間山を眺めなら稜線歩き。むきだしの丸い山肌は生々しく、アルプスの山々のような複雑な形状のカッコいい姿とは違う、「巨大な丸い生命体」。その巨大な形状がシンプルに心に残ります。

稜線を歩いていると、至る所にハクサンシャクナゲが咲いていました。浅間山に圧倒され、ハクサンシャクナゲに癒やされました。

 蛇骨岳で食事に。ここで小一時間浅間山を拝みます。ここから鋸岳までは岩稜帯が続きます。

 鋸岳手前の「Jバンド」から賽の河原へ下ります。

 草すべりより湯ノ平の傾斜のほうが緩やかなので、こちらから登って草すべりを降りる人のほうが多いようです。Jバンドからの下りは浮き石が多く、登ってくる人に落とさないように慎重に下りました。ここは登りに使うべきでした。

 賽の河原には、やけに黒い巨岩がゴロゴロ転がっており、浅間山噴火の生々しさを感じます。

 低い松と黒い岩の道を抜けて火山館に戻りました。火山館で、常駐されている管理人の方とお話をすることができました。草すべりやJバンド周辺では滑落してなくなる方も多いこと、特に経験者が多いこと、二の鳥居周辺にクマが出たこと、、。熊鈴を持っていなかったので、二の鳥居を速攻で通過し下山しました。

 下山後に天狗温泉に入りました。赤褐色の湯で、何故かわからないのですが、他の温泉より大変癒やされました。

 麓に降りて、車留夢というレストランで「大浅間爆裂ハンバーグ」を頂きました。レアのハンバーグでとても美味しかったです。行動食食べたのにハンバーグも食べて、山に登ると、私はなぜか太って戻ってきます。

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