2023/5 くじゅう連峰

登山
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きっかけ

 私は福岡県出身で、GWに帰省するときには、博多駅から方向を変えて、一旦九重を楽しんで、その後に実家に帰ることがあります。九重は立山のように温泉と登山が両方楽しめます。九州人にとっての立山といった感じでしょうか。火山であることや信仰に関しても似たようなものがあると思います。また、6月にはミヤマキリシマが咲き乱れる夢のような場所です。6月に行ったことはないですが、、一面のミヤマキリシマを一度生で見てみたいものです。

山の成り立ちや歴史

 100万年前の噴火に始まり、3回の大規模な火砕流を噴出。その後、噴火で発生した溶岩ドームによって久住山、中岳、稲星山、星生山、三俣山など、標高1700mをこすピークが形成されました。大船山は成層火山で、特に山頂には「米窪」という巨大な火口の跡があります。

 また、噴火による溶岩流や岩屑なだれ堆積物のせき止めにより、山体の間にいくつかの低地が形成され,それがタデ原や坊ガツル、佐渡窪のような湿原となっています。

 くじゅう連山は、中岳近くの御池(みいけ)が年中、水を溜めていることから、水源信仰の対象として「水分神(みくまりしん)」として崇められており、また硫黄山など噴煙を上げている活火山も存在することから、神様のいる場所と崇められるのは自然なことのように思えます。

 そんな場所であることから、平安時代から始まる山岳での修行を重視する仏教の広まりから、法華院等の寺社が九重を拠点に信仰を広め、山伏たちが先駆者となり九重に今日の隆盛をもたらしました。鎌倉、室町を経て、室町末期から江戸時代に入るまでは荒廃し、江戸時代に再興されたものの、明治に入ると神仏分離により、古新道に仏教、密教が習合した修験道が廃止となった結果、多くの寺院がなくなってしまいました。

 今では祠や石碑、仏像が点在し、そして法華院の温泉と、太古の昔から変わらないお椀型の山と湿原の、神々しいながらも平和な風景が広がっています。

くじゅうは「九重」なのか「久住」なのか

 くじゅうは、「九重」や「久住」などという漢字が当てられていますが、それはくじゅうに存在していた寺社の影響です。南麓久住に「久住山猪鹿狼(いから)寺」があり、坊ガツルに「九重山法華院」があることから端を発しており、くじゅうを「久住山」と書く地域、「九重山」と各地域に分かれてしまいました。

 昭和の時代からの登山ブームにより、山岳の著名度が観光上の大きな要素となり、地域間で組織された観光連盟が「くじう」とひらがな書きにすることを提案し、ひらがな書きに落ち着いたということです。ひらがな表記も柔らかくていいかと思います。

 ちなみに「久住山」が「九重山」にならなかったのは、もともと「久住山」と「九重山」と命名されたピークがあったのですが、この「九重山」は「星生山」の間違いであったため、「星生山」に改められ、「久住山」はそのまま残ったためです。

(参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjca1963/1/3/1_3_25/_article/-char/ja/

4/30 名古屋~博多~由布院

 新幹線で博多へ。博多から高速バスで由布院駅前バスセンターに到着。

 バスセンター近くにある湯布院駅から、由布岳に向かって街道が伸びています。絵に書いたようにドッシリと構えています。

 湯布院駅は、久留米と大分を結ぶ久大本線が、由布院側に大きく迂回して作られています。(GoogleMAPで見ると一目瞭然です)観光の力ってすごいです。

 この日は由布院のユースホステルに宿泊。温泉付きで快適なユースホステルでした。

5/1 由布院~長者原登山口~坊ガツル~大船山、平治岳~坊ガツル

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 ユースホステルの方に湯布院駅まで送迎してもらい、そこから九州横断バスで長者原登山口へ。長者原登山口から入山。木道を歩いていくと三俣山。雨ヶ池越を越えると坊ガツルが見えてきます。

 坊ガツルにテントを張り、とりあえず平治岳へ。大戸越(うとんごし)まで出ると、平治岳への登り道と、平治岳からの下り道に分岐している。肩まで登ると平坦な道が続き、ちょっと登ったらゴール。

 この日は時間にまだ余裕があるので、大戸越から大船山へ。6月にミヤマキリシマで有名なコース。北大船山までは比較的なだらか登り。段原(だんばる) の峠を越えると大船山までの急登ですがそんなに時間はかかりません。山頂からは背後の風景、米窪のクレーターのような火口跡が見える。

5/2 坊ガツル~全山~坊ガツル

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 鉾立峠に入り、白口岳へ。白口岳までは以前迷ったことがあります。雨で黒ボク土(火山灰由来の土)が流れると、それが「道もどき」になり惑わされてしまいます。ですが今回は特に迷いませんでした。それでも枝が高く勾配も急。昨日のの疲れも残っていて、ゆっくり目のペースに。イワカガミがポツンと一房だけ咲いていました。高度が上がるにつれて、鉾立峠の向こう側にある大船山までの台地状の地形や、坊がつるを囲む山々を一望することができました。

 白口岳から稲星山まではは気持ちいい縦走路です。霞む雲と枯れた植物の組み合わせが良かった。稲星山までのザレバからは、阿蘇の根子岳や中岳と、阿曽カルデラの外輪山から裾野を広げる火砕流台地の高原を眺めながら歩けます。高原がここまで広がった風景を一望できるのはここ以外あるのでしょうか。それを一人占めできることが最高でした。

 稲星山へは赤い石のガレ場を登ります。稲星山から中岳へ直登もできるのですが、一旦久住山との間のコルに降り、そこから天狗ヶ城と中岳とのコルへ、池を眺めながらトラバースするコースを取りました。池まで上がりしばし眺める。まるで御岳の池めぐりをしている感覚。

 コルから中岳へ。今日登ってきたところを一望。降りて今度は天狗ヶ城に登り池を眺める。見た目は直立している感じですが巻き道があり、案外すんなり登れます。ここて大休止。

 天狗ヶ城を降りて久住山へ。久住山からも阿蘇外輪山から延びる高原がみえるが、人が多く風景を独り占めできないからか、あまり感動ができない。久住山を降り、星生山に登りたかったが、左股関節がどうも苦しく取り止めました。

 やむなく北千里ケ浜を越えて諏蛾守越へ。星生山の代わりに、明日登る予定の三俣山に登る。

 諏蛾守越に戻り法華院温泉でひとっ風呂と酒をあおり、坊がつるでぼんやりして終了。

5/3 坊ガツル~由布院~久留米

 くじゅうでやることはすべてやったので、そのまま長者原へ。そこからバスで再度由布院に戻り、そこから久大本線で久留米へ帰省。3日とも晴れて気持ちのいい登山ができました。

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